2017年6月2日、日本版GPS「みちびき」2号機の発射が成功しましたね!
2017年中にあと2台打ち上げて、2018年には、GPSの誤差がたったの6センチ以内なるようです。
いや~、我々の暮らしは、もうGPS無しでは成り立たないのではないでしょうか。カーナビにも、ポケモンGOにもGPSの技術が使われています。
Google map の道案内サービスにも使われていますね。僕なんかは、地図を読むのが苦手なのでGoogle map無しでは、どこにも行くことができません(笑)
このように、私たちはGPSの恩恵を当たり前のように享受しているわけですが、それがどのような仕組みかご存知ですか?
少なくとも、僕はあまり知りませんでした。そこで今回は、GPSがどのような仕組みで私達の位置を特定しているのか、そして、みちびきが発射されたことで、何故その精度が更に上昇するのかについてまとめてみたいと思います。
GPSの仕組み
では、まずGPSの仕組みについて説明していきましょう!
ちなみに、GPSは「Global Positioning System (全地球測位システム)」の略称です。地球のまわりを回っている30個近くのGPS衛星を利用して、場所を特定しています。
ただ、自分の位置を特定するのに、30個すべての衛星を利用する必要はありません。そもそも、地球の裏側にある衛星を利用することはできませんからね。
自分の位置を特定するのに必要な衛星の数は4つです。
上の画像を見ながら、説明していきましょう。
あなたがいる場所を☆マークとします。まず、衛星1から電波を受信することで衛星1と自分との距離が分かります。それによって、自分が赤い円の上にいるということがわかりますね。
次に、衛星2からも同様に電波を受信します。これで、あなたが黄色い円の上に居ることもわかったので、赤い円と黄色の円が交わった2つの場所のどちらかに、あなたは居ることがわかります。
最後に衛星3から、電波を受信することで、あなたの位置が、赤い円と黄色の円、そして青の円が交わる場所。つまり、☆であるということがわかるのです。
しかし、この説明だと、衛星は3つあれば十分だということになってしまいますよね。先程も説明したとおり、実際に位置を特定するのに必要な衛星の数は4つです。
では、4つ目の衛星が何をするのかというと、GPS端末の時計の時刻合わせです。GPS端末の時計がズレていると、それだけ位置情報にも誤差が生じてしまいます。時刻合わせをすることで、ついに位置情報を特定することができるのです!
ちなみに、あなたのいる場所から、5つ以上のGPS衛星が見えたならば、位置情報の精度は更に上昇します。高精度の測定には8つ以上のGPS衛星が見えることが、望ましいとされているようです。
なんで、GPSで誤差が生じるの?
あなたも、GPSを使っていて、誤差を感じたことがあるのではないでしょうか。
例えば、カーナビのアプリなどで、
という経験があるでしょう。
なぜ、このような誤差が生じるのでしょうか?
主な原因はビルです。ビルとビルの間を走っていると、GPS衛星からの、電波が届きづらく、結果的に、衛星を4つ以上見つけられなくなるのです。
では、どうすれば、このような事態を防げるでしょうか?
そこで登場するのが、みちびきです。
みちびきとは
みちびきとは、主に、日本付近を重点的に通過する、日本によって打ち上げられた衛星です。
みちびきの軌道(JAXAの公式ホームページより)
これらの衛星は、通常のGPS衛星よりも高い高度に打ち上げられるので、地上から見上げる角度も、大きくなります。つまり、ビルの影響を受けにくくなるのです。
ビルの影響を受けにくくなれば、都心でも安心してカーナビを使うことができるようになりますね!
2018年以降も、追加の衛星を打ち上げ、2023年には7機体制で運用されるようです。
ここまで来ると、アメリカのGPS衛星に頼らずとも、日本の衛星だけで、位置情報を特定できるようになります。早く、そんな時代が来てほしいですね。
もう、精度は上がっているの?
すでに、2台のみちびきが発射されたということは、位置情報の精度はすでに上昇しているのでしょうか?
答えとしては、確かに精度は上がっていますが、すべての人がその恩恵を受けているわけではありません。
実は、みちびきの出す電波は、通常のGPS衛星とは異なるものなので、専用の受信機が必要なのです。なので、みちびきに対応している製品としてない製品があります。みちびきに対応している製品は、
に、書いてあります。これを見ると、どうやらiPhone7/7Plus は対応しているようですね。
羨ましい限りです(笑)
ただ、今後発売される製品は、みちびき対応のものが多くなってくるでしょう。僕も、そのうち、スマホを買い替えてみちびきの威力を実感したいと思います。
GPSの誤差は、ビルなどのほかにも電離層の影響が大きいです。みちびきはL1Sという電離層を補正する情報(補強信号)が含まれています。ただし一般のGPS信号はL1C/Aという信号のみなので、現時点では「みちびき」の効果は少ないかほとんどありません。