暗殺教室 14巻 期末テストの数学の最終問題を解説 解き方、解法は?

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皆さんこんにちは。皆さんは暗殺教室知ってますか?

マッハ20で移動するタコっぽい何かが学校の担任になって、生徒たちがその先生を暗殺しようと、頑張る話です(知らない人がこのあらすじを読んでも、おそらく何もわかりませんね(笑))。

暗殺教室の主人公といえば、殺せんせーと潮田 渚くんでしょう!

殺せんせーは、マッハ20で動けるにも関わらず、結構ドジなところがあって、たまに生徒にやられそうになっているところが面白いですよね。

渚くんは、あんなに弱そうな見た目なのに、暗殺のスキルは超一流です。日頃はすごく弱そうなのに、いざとなるとすごく強い、そのギャップがすごくかっこいいです。

実はそんな暗殺教室に僕は、昨年ハマってしまって、マンガも全巻読みましたし、アニメも1期と2期どちらもみました(受験生だったのに・・・)。

その時に、いつかやりたいな~って思っていたことがありました。そう、暗殺教室の14巻(アニメ版だと2期12話)のお話。

椚ヶ丘中学校の期末テストの数学の最終問題を解いてみたかったんです!

なので、その願いを達成すべく早速問題をみてみましょう。

「右の図のように、1辺aの立方体が周期的に並び、その各頂点と中心に原子が位置する結晶構造を体心立法格子構造という。NaやKなど、アルカリ金属の多くは、体心立法格子構造をとる。体心立法格子構造において、ある原子A0に着目したとき、空間内のすべての点のうち、他のどの原子よりもA0に近い点の集合が作る領域をD0とする。このとき、D0の体積を求めよ」

う~ん、なかなか1回読んだだけでは分かりにくい問題文ですね。

すごく感覚的な説明ですけど、「体心立方格子構造中の原子たちが縄張り争いをしていて、その内の1つの原子に注目した時に、その原子の縄張りの体積はどれくらいか?」ということでしょう。

作中では、今までの定期テストで、毎回1位を取り続けてきた浅野 学秀くんと3年E組のエース赤羽 カルマくんがこの最終問題まで到達し、最終的にはカルマくんがE組で学んだ色々なことを思い出して、対称性を利用し、この問題を解き切ります。

一方の浅野くんは、複雑な計算が必要となる解法を選択。計算が終わる前に、テストの終了時間が来てしまいました。

ただ、どちらの解法もマンガ読んでいるだけだとなかなか理解しづらいですよね。

そこで、今回はカルマくんと浅野くんの解法、両方の解き方でこの問題を解いてみたいと思います。

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カルマくんの解法

カルマくんの解法は、ほとんど計算が必要ありません

先程の縄張り争いの例で考えてみましょう。

体心立方格子構造の中には、幾つもの原子がありますよね。そして、それらは等間隔で空間上に配置されています。

作中でもカルマくんが説明していたように、下の図で言う青い部分ばかりに注目しているから、問題の全体像が見えづらくなるんですよね。

もっと、広い領域で考えてみましょう。

体心立方格子構造が無限に続いていると仮定した時、等間隔に配置された原子達が、それぞれ縄張り争いをしています。この時、一つ一つの強さは互角なのだから、一つの原子がゲットできる領域の体積も皆同じに決まってます。

そこまで考えた上で、もう一度、図の青い部分に注目しましょう。図の、青い立方体の中には、いくつの原子が含まれているでしょうか?

とりあえず、ど真ん中に一個ありますね。問題は、角の部分です。

角の部分は、原子がまるまる一つ含まれているわけではありません。下の図を見れば分かるように、1/8 個含まれてます。

(こちらのサイトから、画像をお借りしました→http://chemex2.la.coocan.jp/file/chemistryfile/chemistry20130430.html

そして、角は全部で8つ。

よって青い立方体の内部に含まれている原子の個数は、

1+1/8 × 8 =2(個)

原子2個で青い立方体の体積 a^3 の縄張りを支配しています。

つまり、原子一個あたりの縄張りの体積は、a^3を2で割って、

a^3 /2

という、答えが出ました。計算はほとんど入りませんね。気がついてしまえば、1分もかからずに解き切ることができてしまいます。

言われてしまえば、当たり前のことかもしれませんが、言われるまでは、なかなか気づきませんよね。

あのカルマくんですら、E組での経験があったからこそ気づけたわけですから。

浅野くんの解法

普通の人は、こっちの解法を先に思いつくと思います。つまり、領域を具体的に特定して、その体積を計算する解法です。

とりあえず、領域がどうなるのかを考えてみましょうか。体心立方格子構造において、A0と点A~Hは全て等距離にあるので、A0と点A~Hの内、どれか一つの頂点との間での境界をまず考えてみたいと思います(下図では、すでにA0とCの境界が書かれてます)

上図では、A0とCの境界を書きましたが、A0とGの方が書きやすかったので、下図ではA0とGに注目しています。

A0とGの中間に境界があれば良いので、結局A0とGの間の各辺の中点を結んで繋いだものが境界となります。上図の正六角形が境界ですね。G以外のB~Hの点についても同様なので、結局求める図形の形は下図のようになります。

なんだか、みるからに体積を求めるのがめんどくさそうな立体ですね。立体の体積を直接求めるのは難しそうなので、それぞれの角から取り除く立体の体積を求めましょう。

とりあえず、先程の頂点Gに注目して、下図のように、各点に名前をつけます。

そして、斜線で塗った取り除く部分の体積を求めましょう。(とはいえ、この時点で斜線を塗った部分と塗られていない部分の立体は全く同じものだから、斜線で塗った部分の体積は、上図の立方体の体積の1/2であると、すぐに分かるんですけどね。)

浅野くんが、作中で言っていたとおり、斜線で塗られた部分の立体は、六角錐1つ(JLNPSR-G)と三角錐3つ(JKR-G,PQS-G,LMN-G)に分解できます。

とりあえず、求めるのが簡単な三角錐の体積から求めましょうか。

三角錐JKR-Gについて、JK=a/4, RK=a/4,KG=a/2 で、∠JKR=90°だから、その体積は、

底面積 × 高さ × 1/3 = (1/2 × JK × RK) × KG × 1/3

          = (1/2 × a/4 × a/4) × a/2 × 1/3

          = a^3/192

三角錐は、全部で3個あるから、その体積の合計は、

a^3/192 × 3 = a^3/64   ・・・・・①

では、次に六角錐JLNPSR-Gの体積を求めましょうか。

六角錐の体積の求め方も、基本的に三角錐と一緒です。底面積 × 高さ × 1/3 で求めたいと思います。

今回は、六角形JLNPSR を底面、そしてTG を高さとして考えたいと思います(Tは、線分AGの中点で、Gから六角形JLNPSRに下ろした垂線の足)。

まずは、TGの長さを求めましょうか。TGを求めるには、AGの長さを求める必要があります。AGの長さを求めるなら、△OAGに三平方の定理を使いたくなりますね。そのためにはOGの長さを求める必要があります。

ということで、まずOGの長さを求めましょう。

△OQGは直角三角形で、OQ=a/2, GQ = a/2 だから、三平方の定理より、

OG^2 = OQ^2 + GQ^2

         = (a/2)^2 + (a/2)^2

   = a^2 / 2

よって

OG = (√2/2)a

次に、△AOGに三平方の定理を用いると、

AG^2 = OA^2 + OG^2

         = (a/2)^2 +( (√2/2)a)^2

         = a^2 / 4 + a^2 / 2

         = 3a^2 / 4

よって、

AG = √3 a/ 2

TG = AG × 1/2

     = √3 a/ 4

次に、六角形JLNPSRの面積を求めましょう。

六角形は、上図のように正三角形6個に分割できます。よってまず、正三角形JTRの面積を求めましょう。

JK = JR = 1/4 だから、△JKRに三平方の定理を用いて、

JR = √2a / 4

となる。よって、△JTRは、1辺の長さが√2a / 4の正三角形より、JR = JT = RT である事も考えると、その面積は

1/2 × JT × RT × sin 60° = 1/2 × (√2a / 4) ×(√2a / 4) × (√3 /2)

         = √3 a^2 / 32

正三角形が6個集まって正六角形が構成されているから、正六角形JLNPSRの面積は、

(√3 a^2 / 32) × 6 =  3√3 a^2 / 16

これで、めでたく正六角錐の体積が出せます。

底面積 × 高さ × 1/3 =  六角形JLNPSRの面積 × TG × 1/3

                             = (3√3 a^2 / 16) × (√3 a/ 4) × 1/3

                             = 3(a^3) /64 ・・・・・②

以上、①、②より、斜線で塗った取り除く部分の体積は、

a^3/64 + 3(a^3) /64 = a^3/16 

コレと等しい体積を、頂点A,B,C,D,E,F,G,Hの8ヶ所から、それぞれ取り除くから、取り除く立体の体積の合計は、

8 × (a^3/16) = a^3 / 2 ・・・・・③

よって、求める立体の体積は、立方体ABCD-EFGHの体積から、③を引けば良いから

(a/2)^3 – (a^3 / 2) = a^3 / 2 ・・・・・④

ふう・・・。やっと答えが出ました。

これを、制限時間のあるテストでやりきるのは、かなりの至難の技ですよね。

でも、浅野くんは④の式の途中までは書いてました。あと一行・・・。制限時間があと30秒長かったら、浅野くんも答えを出せていましたね。

おそらく、浅野くんが最後に書こうとしていた式は、

(立方体の体積)- 8 × (3 × (三角錐の体積) + (六角錐の体積))

=a^3 – 8 × (3 × (a^3/192) + 3(a^3) /64)

=a^3 / 2

でしょうね。

浅野くんの計算力もなかなかのものです。僕だったら、この方法で解こうとしたら30分位かかってしまう気がします。

ちなみに、浅野くんは斜線部の体積を 3 × (三角錐の体積) + (六角錐の体積) で、求める方法をとっていましたが、もう少し楽に、斜線部の体積を求める方法が存在します

それは、以下のように補助線を引いて考える方法です。

以下、略解を示しましょう。

この場合、初めの斜線部の体積は、

三角錐U-VWGの体積 ー 3 × 三角錐U-JRKの体積

で表されます。

三角錐U-JRKの体積は

底面積 × 高さ × 1/3 = 1/2 × JK × RK × UK × 1/3

          = 1/2 × a/4 × a/4 × a/4 × 1/3

          = a^3 / 384 ・・・・・⑤

三角錐U-VWGの体積は、三角錐U-VWGが三角錐 U-JRKと相似であり、1辺の長さが3倍であることを用いると、

(U-JRKの体積) × 3^3 = (9 × a^3)  / 128 ・・・・・⑥

よって、初めの斜線部の体積は、

⑥ – 3 × ⑤ = (9 × a^3)  / 128 – a^3 / 128

                = a^3 / 16

斜線部の体積を出したあとは、初めの方法と一緒です。

こちらの方法の方が少し、楽だと思います。

まあ、初めにも書いたとおり斜線部の体積と立方体から斜線部を取り除いた部分の体積は、明らかに一緒なので、

(立方体の体積×1/2) = (a/2)^3 × 1/2

           = a^3/ 16

が、一番早いんですけどね。まあ、この方法に気づいた人ならば、最初からカルマくんの方法で解いていることでしょう。

まとめ

結論から言うと、カルマくんの解法と浅野くんの解法では、計算量が天と地ほどの差があります。

作中でも言われていたことですね。

まあ、そもそも中学3年生がこの問題を解いている時点で、椚ヶ丘中学は進学校なんだなと思いました。

僕が中3のときなんて、絶対この問題解けませんでしたよ(笑)

追記:ここで紹介した解法以外の解法を思いついた! って人は、ぜひコメント欄に書いてみて下さい!