いや~最近の人工知能の進化は目覚ましいですね。まさか、とは思っていましたが、世界ランク1位の柯潔九段相手にアルファ碁が3戦3勝してしまいました。
私自身も、以前からアルファ碁には興味がありましたが、(そのおかげで、大学入試のとき、英語でアルファ碁に関する問題が出て得をしました(笑))今回、ますます興味が湧いてきましたね。
いったい、これ以上人工知能が進化したらどうなってしまうのでしょう。
「我々の仕事が奪われるのでは?」
と心配になってしまいますよね。
将来どうなるかを予測するには、まずは過去を知ることが重要でしょう。
そこで、まずは人工知能の進化の歴史について詳しく調べてみたいと思います!!
人工知能、進化の歴史
人工知能の進化と言っても色々ありますが、今回は一番わかり易い、ボードゲームにおける進化の歴史をたどっていきましょう。
オセロ
1997年 当時、世界一だった村上九段がコンピュータに6連敗。
それ以後は、コンピューターの独壇場ですね。
今や、オセロにおいては人間はコンピュータには絶対に勝てないと言われています。
ちなみにオセロの総局面数は、10^60通り(10×10×・・・を60回繰り返した数)ほどです。
チェス
同じく1997年、世界チャンピオンのガルリ・カスパロフにIBM製のディープ・ブルーが3.5勝2.5敗で勝利(引き分けの場合は両者に0.5勝ずつとカウント)。
チェスの総局面数は10^120通り。宇宙に存在する原子の数が10^80なんて言われてますから、いかに局面の数が多いかがわかりますよね。
将棋
2007年 Bonanzaが、渡辺明竜王と戦って敗れるも、奨励会の三段程度の実力(プロの一歩手前くらい)があるとの評価を受ける。
2010年 当時、女流王位・女流王将だった清水市代とあから2010が対局。あから2010が勝利する
2011年 米長邦雄永世棋聖に将棋ソフト、ボンクラーズが勝利
2012年 佐藤慎一 四段にPonanzaが勝利。正式なルールのもとで、現役棋士に将棋ソフトが初勝利する。
そして、遂に2017年の4月1日と5月20日に佐藤天彦名人とPonanzaが戦って2戦とも、Ponanzaが勝利。これは、もう将棋においても、コンピューターは人間を超えたと言ってもいいでしょう。
ちなみに、将棋の総局面数は10^220と言われています。
囲碁
そして、皆さんお待ちかねの囲碁です。
1970年代 この頃の囲碁ソフトは15級程度の実力
2007年 Crazy Stoneがプロ棋士の青葉かおり四段に8子局のハンデ戦ではあるものの勝利
2015年 世界最強銀星囲碁15と井山裕太名人が4子局のハンデ戦を2局打ち、井山が2勝。この頃は、コンピュータがプロ棋士に勝てるようになるまで、あと10年はかかると言われていた
2016年 Googleの子会社であるイギリスのGoogle DeepMind社が開発した、アルファ碁が、世界最強の囲碁棋士の1人である李世ドル相手に4勝1敗。李世ドルの圧勝だろう、という多くの人々の予想を覆す
そして、2017年5月27日 世界ランク1位の柯潔九段相手にアルファ碁が3戦3勝しました。
コンピュータがプロ棋士に勝てるようになるまで、あと10年はかかると言われていた2015年からわずか2年足らずで、コンピュータがプロ棋士を超えてしまいましたね。いやはや、技術の進歩のスピードに驚かされます。
結局、なんでアルファ碁はこんな急に強くなったの?
原因は色々あるでしょうが、おそらく最大の要因はディープラーニングでしょう。
そもそも、前にも書いたとおり、囲碁はオセロやチェスなどに比べて局面の数が多すぎるので、まともに計算することは、少なくとも今はできません。そこで、登場したのがディープラーニングです。主に画像認識の技術に応用されていますね。
2012年にコンピューターが猫を認識できるようになったとGoogleが発表して、話題になりました。これだけ聞くと大したことではないように思われますが、実はこれはものすごいことなんです。
なにが、すごいかっていうと、コンピュータが人間に猫というものを教えてもらうことなく自力で理解したのです。この技術を応用することで、コンピュータに人間の指し手をマネさせました。
とはいえ、さすがにそれには限界があって、それだけで世界一に勝てるほど、囲碁は甘くありません。では、何をしたのかというと、なんと、コンピュータに人間の指し手をある程度マネさせたあとは、コンピュータ同士の対戦を何百、何千万局とやらせたのです!
これに、よって大量の棋譜のデータをゲットし、アルファ碁は圧倒的に強くなりました。
ちなみに、2017年のアルファ碁は2016年のものより、更に進化しています。2016年に李世ドルを打ち負かしたときは、1000台以上ものサーバで戦っていたのに対し、今回はたったの1台です。もう、囲碁において人間はコンピュータに敵いませんね・・・。
人工知能のこれから
どうやら、アルファ碁が人間と対局するのは、今回が最後で、これからは医療やエネルギーの分野にアルファ碁で培った技術を応用するようです。
今のところは、AIがその圧倒的な力を発揮できるのは、明確なルールが定まったボードゲームなどだけであり、改善の余地はまだまだありますが、この技術が他の分野にも役に立つのは間違いないでしょう。
ただ、これ以上発展すると、今度は私達の仕事が奪われそうで怖いですよね。
人工知能に仕事を奪われる?
結論から言ってしまえば、奪われる仕事はたくさんあるでしょうね。
レジ打ちや事務員のような、わりと単純作業でも出来てしまうような仕事は間違いなく人工知能に仕事を奪われてしまうでしょう。
それも人工知能の進歩のスピードを考えると、それはそう遠くない未来かもしれません。
では逆に、人工知能に奪われない職業とは何なのでしょうか?
それは、人間でなければ出来ないことをする職業ですね。
例えば、医者とか作家とか。
医者については人工知能が医者にアドバイスをすることはあるでしょうが、最終的な判断を下すのはやはり医者となるでしょう。
人の命がかかってる仕事ですからね。
あとは作家も、人工知能に取られる危険性は低いと思います。
人の心を動かす文章は、やはり人にしか書けませんからね。
さらに言えば、プログラマーも残ると考えられます。
人工知能をコントロールするためには、プログラマーが必ず必要となりますからね。
近年はプログラマーが不足しているようなので、もしあなたが時間に余裕があるのだったら、プログラミングを習得しておくことを強くおすすめします。
最近注目されている言語はPythonですね。
人工知能のプログラムによく使われるのはPythonです。
参考書を読んで独学で学ぶのもいいですし、短期間で集中的に終わらせたいなら、オンラインのレッスンを受けてみるのもオススメです。
まとめ
今後、人工知能はどんどん進化するものと思われます。
10年後、20年後、私達はいったいどんな暮らしをしているんでしょうね。
想像するだけでも楽しみです。
10~20年後に答え合わせをしましょう。